富士本と申します。

私自身は気に食わない会社を平然と辞める側だったが、ぼちぼちそんな事も言ってらんないようで。


0・購入の背景

私は別に人事でも何でもないが、部下を持つ身になってしまった。
部下が退職しようものなら私の負担が増えるし、かといってわが社は後任をすぐに見つけられる採用力も持ち合わせていない。
とすると、今いる部下が辞めない努力をするしかあるまいて。
自分が部下の面倒を見るだけでなく、上層部にも社員が辞めない組織作りを考えていただきたいものである。


1・読むべき人

人事部や部下を持つ管理職は誰が読んで損をしないが、「部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任」とか言ってそうな経営者が読まないと意味ないんだよね。
おそらく多くの日本企業はいまだにトップダウンで、人事部に裁量なんてほとんどないから。


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2・内容

「他にやりたいことがあるので・・・」
「留学します」
「家庭の事情で」
――退職する社員が会社に本音を告げる事は少ない。
だからこそ、「優秀な若手が辞めてしまう」という悩みを持つ企業は、本質的な解決に至ることがなく、同じ事をくりかえします。
ただでさえ人手不足のいま、企業の競争力を大きく削ぐことになりかねません。

そこで本書では、    
「入社当初からいずれ転職するつもりだった」
「将来が見えない、『こんな風になりたい』という先輩がいない」
「労働と給料が見合わない」・・・・・・     
など、会社を辞めた若者の本音を聞き出しながら、 どうすれば、優秀な社員を定着させる事ができるか、リテンション(定着)マネジメントのポイントを示します。


3・辞める人の本音

私のような正直者は、退職時に洗いざらいぶちまける。

1社目:「ノルマ無理です」
2社目:「働かせすぎです」
3社目:「給料足りないです」

だが、上司が怖いだとか、できれば禍根を残したくないだとか、個々人の事情によっては本音を言えないことだってある。

「結婚するんで辞めます」と言ってた同僚は「辞めるために結婚した」節があった。
「資格勉強のために辞めます」と言ってた同僚は勉強せずに転職した。


人間「辞めます」と宣言した時点でもう気持ちは固まっている。周囲の人間に相談済だし、自分の中でも充分に葛藤したし、メリットもデメリットも希望も不安も全部ひっくるめて「よし辞めよう」と判断してからの「辞めます」である。

そこから上司が慌てて引き止め工作をしても手遅れなんだよね。

逆に辞める方も無意味に引き止められても困るから『どうしようもない理由』を建て前にする。


本書の良いところは普通に働いてても得られない『辞める人の本音』を読めることでしょう。


4・現場でできること、上がやらないといけないこと

実際、辞める理由なんてパターンが限られる。
給料、環境、人間関係、仕事内容、勤務時間……

その多くは経営陣が本腰入れないと解消できないものばっかなので経営陣が頭抱えて考えればいい。


それでも、現場で出来そうな施策がいくつか本書に記載されていた。


特に現実的職務予告なんかは、今すぐに実施できるものである。
現実的職務予告っていうのは、会社を良く見せようとせずにありのままを伝えること。
入社前と後のギャップを縮めることで社員が「話が違う!」とブチ切れるリスクを回避するんですよ。

昭和だったら
「転職回数は少ない方がいいという世の中の風潮」
→「一度入ったら気合いと根性でしばらく我慢して働いてくれるだろう」
→「ウソついててでも騙してでも、とりあえず入社させたらこっちのもん」

というロジックが成立したかもしれないが、平成も終わろうとしているこの時代、社員は転職先に困っていないのですぐ辞める。

昭和ロジックはもう通用しないのですよ。


そのほかの論点も既知のものから、そうでもないものまでありますが、買って読んでくださいな。



5・まとめると

この本はうちの人事にプレゼントしよう