富士本と申します。



1・内容紹介の前に

この表紙絵からあふれ出すノスタルジー!!
購入理由なんてこれで充分!!


海が見える家 (小学館文庫)
はらだ みずき
小学館
2017-08-08




2・あ、はい、内容紹介

ワケあって、田舎暮らし、はじまる。

苦戦した就活でどうにか潜り込んだ先はブラック企業。働き始めて一ヶ月で辞職した。しかし、再就職のアテもなければ蓄えもない。そんな矢先、疎遠にしていた父親の訃報が飛び込んできた。孤独死したのか。どんな生活を送っていたのか。仕事はしていたのか。友人はいたのか。父について何も知らないことに愕然としながらも、文哉は南房総にある父の終の棲家で、遺品整理を進めていく。はじめての海辺の町での暮らし、東京とは違った時間の流れを生きるうちに、文哉の価値観に変化が訪れる。そして文哉は、積極的に父の足跡をたどりはじめた。「あなたにとって、幸せとは何ですか?」と穏やかに問いかけてくる、著者新境地の感動作!

3・辞めないまでも、暮らさないまでも

突如、会社を辞めて田舎に逃げる。
小説として珍しくともなんともない。
これまで本を500冊しか読んでいないアイスクリームでさえ、何回か読んだことがある。

これとかね。

天国はまだ遠く (新潮文庫)
瀬尾 まいこ
新潮社

2006-10-30




こういう作品が読まれるのは、都会に疲れている人が確実に一定数いるからである。


都会も都会、大崎の駅ナカ本屋で平積みだったのは何か皮肉を感じるよね。


4・つまらない人間なんていない

父はつまらない人生を送ったわけじゃない。自分が知らなかっただけだ。

文哉は生前の父と折り合いが悪かった。
というのも、父の家と職場の往復人生を『つまらない』と思っていたから。

人って意識しないと見たまんまを真実だと思ってしまう。
朝出かけて、どうやら昼はやりたくもない仕事をしているらしくて、夜は帰って寝るだけ。

そんな父親を見て『面白い』と思う方が無茶なんだ。


だから会社勤めの親を持つとつまらない部分しか見えないので「こうはなりたくない」と思ってしまうのは自然である。


友人知人職場の同僚も同じ。
知らないだけで、意外とみんな面白いものである。


5・繰り返すが、珍しい話ではない

だからこそ、普遍のテーマであり、同じテーマの作品が生まれ続けるんだろう。

老若男女を問わず『人生を楽しんでいるか』という命題と向き合わなくてはいけない。


そして、本を読み終わり、「俺はあと何回海を見られるかな?」と自問し、

あ、今年の夏は海に行こう

というありふれた事を考えたのである。